秋田湯沢産漆
で塗る

質の良い普段使いの器川連漆器のこと

川連漆器の歴史は古く、今から八百年ほど前、家臣や農民の内職として刀の鞘や鎧など、武具の漆塗りを内職としたことがその起こりと言われています。天下太平の江戸時代の後期には、藩の許可により他国に販路を開き、椀・膳・重箱など、日用雑器としての漆器づくりに移行しました。贅を尽くした沈金や蒔絵などの加飾技法により、近代では漆器の産地として地域経済を支えてきました。数ある産地のなかでも、川連漆器は丁寧で実直なものづくりを守りながら価格は求めやすいため、毎日の器として積極的に使うことのできる身近な工芸品です。使い続けるごとに色ツヤが増していく魅力も、最終仕上げの塗りが厚い川連漆器ならではの特徴。天然木と天然の漆による安心素材で見た目にも美しく、堅牢さと抗菌作用を持ち合わせた本物の漆器です。何時の時代でも手に入る普遍的な素材で手づくりされているからこそ、修理を重ねて永く使えることも漆器の魅力です。良い物を大事に使う。現代にこそ求められる日用品のあり方だと寿次郎は考えます。

 
木地づくり 原 木

川連漆器には主に奥羽山脈のブナやトチ、ヒノキ、ホオノキなどの広葉樹を用いる。

川連漆器には主に奥羽山脈のブナやトチ、ヒノキ、ホオノキなどの広葉樹を用いる。

木取り

用材の節、損傷部分などを避け、原木をおおまかな寸法に切り取る。

用材の節、損傷部分などを避け、原木をおおまかな寸法に切り取る。

荒挽き

合型を取り付けたろくろで、内外両面をおおまかに挽き上げる。

合型を取り付けたろくろで、内外両面をおおまかに挽き上げる。

乾 燥

煮沸して木渋を取り除いた後、廃材利用の循環方式により1ヶ月間、燻煙乾燥する。

煮沸して木渋を取り除いた後、廃材利用の循環方式により1ヶ月間、燻煙乾燥する。

仕上げ挽き

ろくろの台座に取付けた合型に添ってカンナを移動しながら挽き上げる。

ろくろの台座に取付けた合型に添ってカンナを移動しながら挽き上げる。

塗り 渋下地

「地炭付け」、「柿研ぎ」及び生漆を用いる「地塗り」をする。

「地炭付け」、「柿研ぎ」及び生漆を用いる「地塗り」をする。

蒔地下地

生漆及び炭粉を用いる「掛地」をした後、生漆を用いる「地塗り」をする。

生漆及び炭粉を用いる「掛地」をした後、生漆を用いる「地塗り」をする。

漆本堅地

「のり漆」を用いる「布着せ」、「さび」を用いる「布目摺り」、「地の粉付け」、「切粉付け」、「さび付け」及び生漆を用いる「地塗り」をする。

「のり漆」を用いる「布着せ」、「さび」を用いる「布目摺り」、「地の粉付け」、「切粉付け」、「さび付け」及び生漆を用いる「地塗り」をする。

中塗り・上塗り

繰り返し漆を塗っては研ぐ。代表的な技法は「花塗」。磨き上げずにしっとりとした肌に仕上げる。ムラなく平滑に漆を塗り、かつ埃もつけないようにするため、高度な技術を要する。

繰り返し漆を塗っては研ぐ。代表的な技法は「花塗」。磨き上げずにしっとりとした肌に仕上げる。ムラなく平滑に漆を塗り、かつ埃もつけないようにするため、高度な技術を要する。

加飾 蒔絵・沈金

塗り面に沈金鉋(カンナ)や筆を使って金箔や色粉などを飾り付け、表面に絵模様を描く。

塗り面に沈金鉋(カンナ)や筆を使って金箔や色粉などを飾り付け、表面に絵模様を描く。

 

上塗りの贅沢な厚みの仕上げによって
    使うほどに増していく艶。

下地塗りは堅牢に、最終仕上げの塗りが厚いのが川連漆器の特徴。たっぷりとろりと塗り、漆の動きを自在に操って平滑に光沢よく仕上げます。漆の調合と刷毛目を残さない塗り仕上げが寿次郎の腕の見せ所です。
(写真手前は新品、奥は7年間使用した寿次郎の小町椀)

 
寿次郎の考え方

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秋田・川連塗 寿次郎

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